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2016年6月16日木曜日

倫理コード

舛添氏の政治資金問題に関する発言を見ていて、「どんだけ感覚ずれてんの〜」と呆れると同時に、先月インタビューしたスペイン・バルセロナ市役所の行政チーム11名の一人、ガラ・ピンさん(35歳)を思い出した。彼女は市長のアダ・コラウと同じく、生粋の社会活動家。政治経験はゼロだが、市民の声をもっともよく代弁できる政治家の一人であることは、間違いない。市政を担う彼らは、昨年5月の統一地方議会選挙で政治変革を求める市民の後押しを受けて第1党となった、左派市民組織・政党の連合体「バルセロナ・エン・コム」のメンバーで、同党は議員としての行動に、独自の「倫理コード」を持っている。

わかりやすい例を挙げると、まず議員は二期以上は務めない。月収は役職に関係なく(市長を含め)、一律2200ユーロ(約27万円)以内で、それ以上はもらわない。外部の会議や行事に参加して余分に謝礼などが出ても、受け取らない。議員としての仕事は、「この範囲で遂行できる」からだ。

それでも、人は言う。「そんなことを言ったり、やったりしていられるのは、政治家になって初めの頃だけ。長くやっていれば、既存の政治家同様にやはり、汚職に手を染めるものだ」
 
この件、どう思うか?ガラさんに尋ねると、秘書と顔を見合わせ、困った顔をしながら、
「そもそも汚職って、どんな風にするのかしら?」
それから真面目な顔をして、こう話した。
「確かに長く今のままの政治世界に身を置いていると、どんなに善良な人間も悪いことをする羽目になるのかもしれません。だからこそ、私たちは倫理コードを設けました。でも政治制度を根本から変えることができれば、それもなくなるでしょう。そして私自身が政治に直接関わる上で何より大切にしているのは、自分がどこから来たのかを忘れず、常にそこに繋がっていること、です。例えば先日驚いたのは、他の党の議員の中には、私たち市民が"月末まで持たないわ〜”と言う時、それが意味していることを理解できない人がいたということ。そういう人たちに、市民のための政治はできません」

日本の政治家の皆さんも、ぜひガラさんたちのような倫理コードに基づいて、活躍してください。